「SEO SEM technique」という雑誌が創刊されました。
SEO SEM Technique vol.1

私は年に1回、SEO関連のセミナーの講師をしている関係上、SEO(サーチエンジン最適化)には敏感にならざるを得ないのですが、この本のなかで、異彩を放つ原稿がありました。それが表題にもなっている、「Web2.0時代のSEO対策」というもの。

情報の価値は人によって違うし、情報の質を上げることによって必ずしも収益につながるわけではない。また、SEO対策をするにしても、質を重視した少量のページでSEOをしていると、サーチエンジンのアルゴリズムが変わるたびにサイトの構造を見直さなければならない。

それならばリスクヘッジのためにも情報の量を増やすことによってサイト全体のSEO的効果を上げようという論理。そのためには情報の収集コストを下げ、情報一つについての損益分岐点を下げようというもの。

それがWeb2.0時代になったことで実現可能になったのだ、という、なかなかユニークな論調です。

これを最初に読んだとき、『えらく大変な時代が来てしまっものだ』と思いました。

量を重視したSEO戦略をするためには、ひとつの情報に対する質を下げないと現実問題としては無理なわけです。どこのサイトでも悩むべき命題です。

スクランブルエッグとて、ひとつの情報の質を下げる、もしくはひとつの情報にかける時間を減らすというのはかなり苦渋な選択を強いられるのです。

そもそも本サイトのアイドルイベントレポートの“質”はどこにも負けないと自負している次第ですが、Web2.0時代になったことで集客戦略が変わりつつあるとなると、いったいどうしたものかと不安になります。

確かに、写真重視のサイトもたくさんあることを知っています。ただ、私から言わせれば“質の良くない”写真がたくさんあるよりも、“より質の良い”写真が適度にあったほうが、サイトのブランド価値を高めるえでも、タレントの価値を上げるうえでもいいのではないかという選択をしているわけです。

ところがユーザサイドから見れば、「質の良し悪しについてはこちらが決めるから、とにかくたくさんの写真を見せてほしい」という欲求があるのです。それは私も承知しています。

たくさんの“どうでもいい”アイドル写真が置いてあるサイトを見ると、カメラマンとして、編集者として、ファンとして悲しくなるのです。「アイドルを愛してないし、消費しているだけだ」、と思ってしまうのですね。

確かにアイドルは消費されてナンボなビジネスではあることもわかりきっているものの、何か割り切れない気持ちになることも事実で。

私自身は、アイドルを愛しているし、できることならば少しでも長く活動をしてもらいたいと思っているので、ひとつの情報に対する質は正直下げたくないと思っています。ただ、アイドルを売ってほしい側としては質はどうでもいいからとにかくたくさん露出してほしいという要求があることも十分承知しています。

そんな板ばさみにさいなまれている私です。

4月からは記事提供先が減ったために、自分のサイトに注力できているのですが、そうすると売り上げが減ってしまうわけで、なかなか丸く収まるというわけにはいかないものですね。

そんなわけで、そう簡単には量を重視した記事作りはできないのですが、少しでも多くのユーザのみなさんに満足してもらうようにこれからもサイト作りをしていこうと思っています。

同じ著書のこんな本も見つけました。
情報自動生成!集客アップテクニック