2011年3月8日にAKB48のメンバーから新たに秋元才加さん、梅田彩佳さん、増田有華さんが突如Twitterを始めることになりました。これでAKB48メンバーは篠田麻里子さん、小嶋陽菜さん、板野友美さん、河西智美さん、仁藤萌乃さん、宮崎美穂さん、佐藤すみれさん、石田晴香さんと合わせて11人となりました。篠田さんのツイートによると北原里英さん、指原莉乃さんも始めたがっているとか。

とりあえずTwitterは見たりもするけどアカウントを取らずに見ている方もいるかと思いますので、私の経験からいくつか感じたことを述べさせていただこうと思います。ファン向けというわけでもないですので、関係ない話題も出てきます。気長におつきあいください。

★始めてからの1ヵ月


私がTwitter(ツイッター)を始めたのは2010年11月のことでした。ついこの間の話です。日本で流行したのが2009年、そして多くの人に認知され利用者が急増したのが2010年と言われていますから、まあその最終便に近いところで波に落っこちないように乗っかったようなものです。私の知人も同時多発的にほぼ同じ時期にどっと始めています。

利用している方ならおわかりかと思いますが、アカウントを取って(メールアドレスがあれば利用料は無料です)Twitterのホームページにアクセスすると、そこがあなたが見る「Twitter」の「小宇宙」です。最初は何もないですが、誰か気になる人のつぶやきを「フォロー」(登録のようなもの)すると、その人のつぶやきが「タイムライン」と呼ばれる小宇宙の空間に流れてきます。

たくさんの人をフォローすればたくさんの人のつぶやきが流れてきます。最初は好きなアイドルや有名人をフォローして、次に知り合いを、そして自分と同じ趣味を持っている人をフォローしていくと、あっという間にタイムラインがつぶやきで埋まってきます。

そして、ときおり人のつぶやきに返信してみたり、自分からなんでもないことをつぶやくと意外なところから返信が返ってきたりすることがあり、そこで一つのコミュニケーションが行えるというわけです。

さて、もうすぐにやりたくなったら、自分のアカウント名を決めてから登録してみてください。http://twitter.com です。

★Twitter中心に生きている人種のアンテナ


Twitterにはまってくると、それまではWebサイトを巡回したりRSSリーダーで見ていたものからTwitterのタイムラインが自分の時間軸の中心になってくる可能性があります。

たとえばテレビのニュースやアイドルの情報、ネット番組情報や、ちょっとした議論まで、その情報の流れてくるスピードと量は、それまでのメディアとはまるっきり違う世界に感じるため、私も見事にはまってしまいました。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアから情報を入手していたのが、次第にWebサイト(あるいは携帯サイト)やblog、掲示板から一次情報を得るようになってきましたが、今やTwitterやFacebookに即時性メディアの主導権を奪われているようになってきているのも事実です。

実際、私がTwitterを始めてからというもの、それまでは知るまでに時間がかかっていた情報が1時間以内に、場合によっては即時にタイムラインに流れてきます。それはフォローしているいろんな方たちが私のアンテナになってくれて、私が興味を持っているジャンルのニュースをつぶやいてくれるのです。こんな便利なものはありません。

その大きな違いを知ることになったことでも始めた意義はあったと感じています。

★違うメディア、違うユーザ層


前述した理由もあって、「Twitterの中の人」(これをAKB48卒業生の戸島花さんは「Twitter星人」と秀逸なたとえをしています)にとっては、Twitterはなくてはならないメディアになっているのです。

それはブログとも掲示板とも違う、新しいメディアなのです。

自分が興味を持っているジャンルに詳しい人がつぶやいてくれるTweet(ツイート。140字以内の短いつぶやきのこと)は何よりも大切な情報源です。その情報源の取捨選択をユーザ自身が決めることができるのです。要するに自分が今、興味を持っている人やものごとに関するつぶやきを自由にカスタマイズできるところがなんといっても最大の魅力といえましょう。

ですから、情報を発信する側にとって、Twitterというメディアは確実に別の新しい顧客(ファン、ユーザー)を呼び込んでくれるツールとなることでしょう。

事実、サイトの更新情報をTwitterに載せるだけで、それまでサイトのことを知らなかった人が訪れることにもなりましたし、「ハッシュタグ」と呼ばれる便利なお約束事のおかげで特定のタレントやジャンルに興味のあるファンがピンポイントで記事にたどり着けることもできます。

私自身も秋葉原のPCパーツ屋の週末特価情報をTwitterで知って購入したり、それまでは自分でアクセスしていたアイドル関連の最新情報などを熱心なファンが私よりも先につぶやいてくれることにより、知ることもできたりするのです。

アイドルはブログだけでなく、Twitterも活用して自分をプロモーションする時代に本格的になってきたということではないでしょうか。

★タイムラインは洪水のように流れていく


自分がフォローした相手が増えていくと時間帯によってはタイムラインが大量に流れてきます。それを必ずしもひとつひとつ読んでいく必要はありません。たくさんのツイートを読みたい人にはいくつか方法があるのですが、それは使い方に慣れてくればまわりの人が教えてくれるか、自分で調べるようになるでしょう。

とても多くの有名人がアカウントを持っているのでそれを全部フォローする必要もないですし、しばらく遠ざかっていたアイドルや知人もTwitterを始めてたりしていることに気づくことでしょう。

Twitterのメディアの特性でもあるのですが、「即時性」がある反面、刹那的でもあります。刹那的であるがゆえの本音も流れてくることもありますし、本当にどうでもいいような「つぶやき」も流れてきます。それにいちいち反応する必要はありません。

ツイートをまとめる必要があれば後でまとめればいいですし、どうでもいいものは時間とともに流れ去っていきます(ただし消え去るわけではありません)。そのメディアの特性を理解し、何か発言したい内容があるのなら必要に応じてTwitterとブログを切り分ければいいでしょう。

★メディアとしての特性を利用する


PCでご覧になっている方にはこのブログにも私の最新ツイートが流れてきますので、私が何に興味を持って何をつぶやいているのかはおわかりだと思いますが、それはあくまで私のちょっと前の発言が見られるだけです。

たとえばテレビドラマ、スポーツ中継、ライブ配信を自宅で一人で見ていても、Twitterの画面を開きながら同時進行的にあちこちからつぶやかれている内容を見るともなく追うのは、あたかも居間やパブリックビューイングにいるようなダイナミックな楽しみ方ができます。

そして、アイドルが何かに困っていたらそれをつぶやくだけで、すぐにファンであるフォロワーが返信してくれます。その内容によってはTwitter上でアイドルからも返信がもらえ、コミュニケーションが成立します。たまに板野友美さんが突然ファンの方のツイートに返信したりするのもTwitterならではのメディア活用法ではないでしょうか。

私のこのブログもある程度まとまったことを残したいときにしかエントリーを立てなくなりました。ちょっとしたことならTwitterでつぶやいたほうが早いし、刹那的ゆえの本音も残すことができます。そのつぶやきに対するリアクションもその場で返ってきますから楽しいコミュニケーションツールと言えましょう。

前々回のエントリーで私のつぶやきに対して文句を言いたくてコメントを残した方もいらしたのですが、そのように感じた方は私のつぶやきだけでなく、そのストリーム(渦)の中に入ってみることをおすすめします。

★SKE48 LIVE ON DEMAND!!


SKE48 LIVE ON DEMAND!!は無料生放送視聴期間にはできる限り画面の前で見るようにし、そこでつぶやきました。そこで得られたことはたくさんあったのですが、もちろん生の感触とは違うでしょう。でも「ライブの生配信」という特性を考えたとき、受け手である私たちなりの楽しみ方のひとつとして、別の場所で同時に見ているファンと一緒に勝手につぶやくことはありだと思います。

それを「在宅」と言って馬鹿にしたような書き込みを見ていると「配信そのものをなくしたいのか?」とも受け取れます。ライブ会場ではしゃべらずにパフォーマンスに集中して見ますが、自宅でリラックスした状態でライブをファンとTwitterのタイムラインを見ながら見るのも楽しいものです。

配信でもある程度のことはわかります。ただ、私はライブの内容そのものについてTwitterで刹那的な感想は残しても、このblogで残さないのは、やはり生で見るのとは違う種類の体験だから、それを見て分かった気になって書いてはいけないと思っているからです。そのあたりはTwitterをやって、その渦の中に身を置けばわかっていただけると思います。

SKEだから、そして私の立場だから文句を言いたい方もいるのかもしれませんが、これが宇多田ヒカルについてのつぶやきだったら誰も腹も立てやしないでしょう。むしろ目にも止まらないでしょう。意識しすぎじゃないですか?って私は言いたいですけどね。

SKEやNMBのことを現場に行ってその都度自分の目で確かめて自分の考えを残すことは大手の出版社の編集者やライターではできないことなんです。さしさわりのあるかもしれないこともあえて言うこともあります。それが時にはファンの反発を食らうことはありますが、こういう考えがあってもいいと思うし、自由に近い立場での感想を必要な方だっていると思うんですよ。20年前はそうやってファンの立場ながらメンバーにもスタッフにも知っていただき、良い方向に変わっていけた経験があるからこそ今があると思っています。

最終電車に乗り遅れないために


昨日、秋元才加さんがTwitterに参加したことで、AKB48のメンバーの参加もより加速されていくことでしょう。グループアイドルの世界では売り上げや知名度ではAKB48が群を抜いていますが、Twitterと無料ネット配信を活用したプロモーション活動は今、とてもさかんに行われています。

「ファンサイトや掲示板の時代に生まれ育ったアイドル」から「ブログの時代に生まれ育ったアイドル」へ、そして「TwitterやFacebookとネット配信の時代に生まれ育ったアイドル」へと、アイドルは時代の流れに合わせて生まれ、育ち方も変わってきています。

ももいろクローバー、SUPER☆GiRLS、東京女子流がTwitterと動画配信を使って着実にファンを獲得してきている時代に、国民的アイドルと言われるようになったAKB48はどのように時代に対応していくのでしょうか。これは数年も経たないうちにはっきりわかってくるでしょう。

刻々と変化していく時代の流れに対応するという意味では、昨日の秋元才加さんのTwitter参加というのは「AKB48」という、もはや動きが鈍くなった巨大プロジェクトに対して少しは風通しをよくしてくれるのではないかという期待を持てる出来事でした。

宇多田ヒカルさんがUstream(ユーストリーム)でライブを無料生配信したときに30万人近くの人が見たといいます。私もその一人です。宇多田ヒカルさんはWebからblog、そしてTwitterと見事にメディアの潮流に対応しながら自身をプロデュースしています。そのライブ中継したのが2010年12月8日、奇しくもAKB48が始まった5周年の日でした。

ファンはファンの側として時代の流れに合わせてインターネットを利用し、携帯サイトを利用し、そしてたぶん今はTwitterを利用していることでしょうが、もし、まだTwitterを利用していない方は時代遅れの情報弱者にならないように今のうちに始めておいたほうがいいかもしれません。

それはファンばかりでなくタレント側、事務所側も同じことが言えるでしょう。大きくて身動きが取れないような事務所はどんどん取り残されていく可能性だってないとは限らない時代なのです。マネージャーが淡々と今日、明日のメディア出演情報などを流していくだけで確実なプロモーション活動ができるというのに、あえてそれを利用しないのは「売る気がない」と思われても仕方のない時代になってきつつあることに気づいたほうがいいでしょう。プロモーションしていく側も「最終電車はすぐそこ」なのかもしれません。

追記:さっそくフォロワーのみなさんから「小林香菜ちゃんもTwitter始めました」とご報告いただきました。ちょっと外出したときにこの文章書いてたんで気づきませんでした。だからこそまだの方は乗り遅れないでね!