2012年2月6日に見たAKB48チーム4『僕の太陽』公演の感想を残しておきます。

例によってあくまで私の主観的な感想であり、誰かの気持ちを代表したり代弁している意図はありません。異論もいろいろあるかと思いますが、何万通りある意見のひとつにすぎません。

そして最近AKB48やチーム4が好きになった方にとっては意味が分からなかったり厳しすぎるという受け止め方もあることは想像できますが、その点につきましては申し訳ありませんが考慮しないで書きます。

本エントリーに先立ち、
AKB48チーム4『僕の太陽』公演感想(2012.2.6) [1] - AKB48と劇場公演
にあらかじめ目を通していただけると話がわかりやすくなるかと思います。それでは時間があればおつきあいください。

★過去の観覧メモから


チーム4は2012年2月20日時点で、9期生から大場美奈、島崎遥香、島田晴香、竹内美宥、永尾まりや、中村麻里子、山内鈴蘭の7人、10期生から阿部マリア、市川美織、入山杏奈、仲俣汐里の4人の11人が正規メンバーとなっていて、16人まであと5人の枠が空いたまま、その枠を研究生が補って公演を行っている状態です。

大場美奈さんは謹慎のままチーム4の初日を迎え、2012年から復帰したため、私がチーム4全員が揃っているのを見たのはこの日が初めてでした。

この日の出演メンバーは以下のとおりです。
[チーム4] 阿部マリア、市川美織、入山杏奈、大場美奈、島崎遥香、島田晴香、竹内美宥、仲俣汐里、中村麻里子、永尾まりや、山内鈴蘭
[研究生] 加藤玲奈(10期)、小林茉里奈(10期)、川栄李奈(11期)、小嶋菜月(11期)、佐々木優佳里(12期)

さて、この日の感想の前に過去の公演観覧メモを見ていたら、とても面白かったので少し箇条書きしておきます。これが成長にどのようにつながっているのかの糸口が見えるかもしれません。(自分用のメモなので非常に辛口です)

●研究生『僕の太陽』公演(2011年6月5日「見逃した君たちへ」TOKYO DOME CITY HALL)
・フレッシュさは十分出せてた
・フレッシュだけどオーラが足りない
・「研究生」の公演であって「(正規)メンバー」の公演ではない
・「愛しさのdefense」は鈴蘭まかせ
・「向日葵」はもうちょっと練習したらもっとうまくなるのに
・「竹内先輩」なんでときめかないんだ!
・アンコール以降。一人一人の存在感・オーラが足りない。今日は自分が主役なので、誰かのアンダーみたいな動きをしていてはいけない
・萌えてこない
・キャリアばっかりついちゃって、ちっとも先を見る目を持ってやってないじゃないか

……どれも厳しい言葉ばかり。この日の公演の最後に戸賀崎支配人が登場して「チーム4」結成発表があった日のことでした。

●チーム4初日ゲネ
この日はカメラを持って写真を撮っていたので、メモはありません。
印象としては、「アイドルの曲はなかなかいけるけど、かっこいい曲はまだまだ」といったものでした。自分の中でまだひまわり組の残像が強く残っていたので致し方ないかもしれません。

●2011年12月30日
2011年のAKB48劇場公演のラストであり、この日はレコード大賞の発表があり、そこに島崎遥香さんが出演していたため、島崎さんは休演。大場さんもまだ出演していません。

・振りが合ってない。もっと揃うのになぁ
・アイドル顔にはなってきた
・MCがなかなかうまくならない
・永尾まりやが良かった(愛しさのdefense)
・仲俣はいちばん自分らしい表現(向日葵)
・高橋朱里は安定している
・加藤玲奈はやる気がないように見える
・竹内美宥はステージで孤独。一人で戦おうとしてる。みんなで助け合えばいいのに
・ぱるるがいないとアイドルオーラが激減

★「チーム」とは


さて、今回のエントリーのタイトルにもなっているのですが、AKB48グループにとって「チーム」とは何でしょうか。チームの絆とは……と考えたとき、今、一番わかりやすい例を挙げるとするならば、SKE48のチームKIIとなるでしょう。

チームKIIはオリジナル公演を自分たちの力でつかみ取りました。

オリジナル公演の日付まで発表されたにもかかわらず何度も公演の延期が発表され、絶望的な空気が流れるなか、昨年の選抜総選挙で高柳明音さんが「私たちに公演をやらせてください!」と涙ながらに直訴しました。それを聞いたKIIのメンバーは客席で号泣。

そして、ようやくもらえた『ラムネの飲み方』公演。4ヵ月経った今も色あせることなくに大切に大切に公演を育てている状況を見るにつけ、チームの絆とか、公演を大切にする気持ちがいかに人を感動させるのかを教えてくれます。

AKB48の歴史の中でもチームKの『青春ガールズ』チームBの『パジャマドライブ』など、同じような感動がありました。それは自分たちのために書かれた楽曲だからというのもあるのですが、必ずしもオリジナル公演じゃなきゃいけないのかといえばそんなことはないと思います。

NMB48のチームN、HKT48の一期生の公演を見ていると、オリジナルのセットリストではなくても自分たちでカラーを探しながら育てていることがステージを見て伝わってきます。

チームAにもKにもBにも入ることなく「チーム4」という形で結成されたチーム、そしてまだ16個のピースが完成されていないチームに果たしてどこまで私たちが求めていいものか、というのにはいささかの戸惑いや引け目もあるのですが、でも先輩たちのチームの抜けた穴を埋める形ではなく、自分たちの創意工夫で「チームカラー」を決めていく楽しさを考えれば、逆にいろんな苦労をしてもらいたいなとも思います。

★「チーム力」が足りない


大場さんがキャプテンとして復帰したばかりのチームですから、いろいろな点を差し引いて見ていましたが、この日の公演を見た限りでは、まだ「チーム」という考え方が浸透しているようには見えませんでした。

「みんなで助け合ってより良い公演をみんなで作り上げていく」……こういう精神で取り組めばチーム4はもっともっと良くなっていく可能性はあるように思います。

チームKは最初からその精神でしたし、その精神は新しいチームKにも生かされ引き継がれ、さらに板野さん・峯岸さんまでも巻き込んでチームカラーに彩りを加えた形で成長してきているように思います。

「チーム4はいったいどんな特徴を持って、どこの部分がA、K、Bに負けない部分なのか」……そういう話し合いをしているのでしょうか。そういった話し合いを続けていればいつか形になって現れてくると思います。今のところはまだ感じませんが、もし話し合っていれば良くなってくるはずです。

とにかく前半の全体曲を見ている限り、新鮮さもなければ、ダンスでなく「振り」にしかなっておらず、妙にこなれた感じがあまり良い印象をもたらしてくれませんでした。

むしろ佐々木優佳里さんの一生懸命さ、川栄李奈さんの安定感が目立ってしまって、このチームはいったいどうなっているんだろうって心配になりました。「自覚を持ってやっているのだろうか」というメモが残っています。

★ユニット曲は見どころがいっぱい


「アイドルなんて呼ばないで」(島崎、市川、加藤、佐々木)
「僕とジュリエットとジェットコースター」(阿部、島田、川栄)
「ヒグラシノコイ」(竹内、大場)
「愛しさのdefense」(小林茉、山内、永尾)
「向日葵」(仲俣、入山、中村、小嶋菜)

全体曲と比べ、ユニット曲はそれぞれ成長の跡が見られてとても楽しめました。

「アイドルなんて呼ばないで」のぱるる(島崎遥香)は今までのAKBのメンバーが持っていない独特のオーラを持っていて、目線を奪われてしまう魅力があります。

市川さんは公演に真面目に取り組み、一生懸命やっているのはわかるけど、それがまだいい方向に転化している印象ではないです。ただ、続けていくうちに何か変わってくるかもしれません。

加藤さんは、やる気があるのかないのかわからない。伝わってこない。流しているようにも見えてしまう。本当はどうなんですか?

全員に言えることですが、「ひまわり組」を見ている立場から言うと、足の跳ね方の振りをもっと大きくやってほしいです。

「僕とジュリエットとジェットコースター」のユニットも私からすれば合格。最初に見た「研究生」ではなく「正規メンバー」としての貫禄のようなものが見えました。

「ヒグラシノコイ」はユニットとしては合格。竹内さんは自分に酔っているような雰囲気で歌っているのがマイナスなイメージに映るかもしれないので注意してほしいと思いました。大場さんは、全編、この曲でやっているような“必死感”とか、歌詞を噛み締めながら歌うようにしてほしいです。

「愛しさのdefense」はまだ「振り付け」から「ダンス」に移行中の段階ですが、それぞれが向上心を持ってやっているように見受けられたので印象は良かったです。山内さんは以前からムラがあって、余力でやってしまうことがあるけれど、この日は集中力を切らさずにやっていました。

小林茉里奈さんはこの曲の中ではちょっと気持ちが緩んだ瞬間はありましたが、基本的には真面目に取り組んでいる様子。

永尾さんはユニット曲、全体曲ともに全般的に良いです。12月に見たときも良かったですし、前から見ているファンからの評判も大変良いです。全体曲で「気持ちを乗せる」ことが一番うまくできるので、ついつい彼女を目で追っていました。

「向日葵」は簡単なようで難しい曲です。テンポも早くないし、振りも少ないです。この曲の歌詞の意味を理解し、歌詞が描く風景を想像し、身体の動きで歌詞の意味を表現するのは実はとても難しくて、オリジナルをもし映像で見てもどこがどううまくできていたのかを説明するのは難しいです。

ただ、はっきり言えるのはこの4人の中では仲俣さんがダントツに良いということ。それは古参ファンと飲んだときに意見が完全に一致しました。永尾さんに対する評価も同じでしたが、おそらく見ている視点が似通っているのでしょう。「やっぱりちゃんと見てる人にはわかっているし伝わっているんだ」と妙に納得してしまいました。

「向日葵」の仲俣さんの何がいいのかは他のメンバーに果たして映像で見せて伝わるのかは正直わからないのですが、「歌の世界を理解して表現している」ことが観客まで確実に届いていることだけは間違いないとだけ言っておきましょう。

その次が中村さん。まだ表現を磨く余地はありますが、曲の世界をわかろうとしています。
入山さんはおそらくわかっていないし、わかろうとしてるかも怪しい。
小嶋さんはときどき集中力がなくなっていました。
あくまでも私見ですし、いずれもこの日の感想です。

★伸ばしていくべき点


「チーム4」はまだはっきりとしたカラーがありません。
そして、16個のピースが揃っているわけでもありません。

ですので、まだ作り上げていく途中の段階です。

「ひまわり組」を見たことのある人からすればまだまだ物足りない部分がたくさんあるものの、大場さんが戻ってきてから1ヵ月半しか経っていないわけですし、話し合って試行錯誤しながらみんなで公演を作り上げていこうという気持ちさえあれば、いくらでも良くなると思います。

そのためには公演に出られるための喜び、チームとしてひとつのものを作っていこうとする求心力をもっと強めていく必要があります。

かつて見た9期研究生はもっといろんな可能性や輝きを放っていました。キャリアを積んでいく間に「アンダー人生」「研究生根性」みたいなものが身体に降り積もってきてしまったのをいったん拭い去って、1期生になった気分で自分たちらしさは何かを考えてもらいたいんです。

そのための最も近道は「走れペンギン」をもっともっとキラキラ輝いた曲にすることです。誰にも、どのチームにも負けない「チーム4らしさ」をこの曲で見せつけてやることです。

その次は「BINGO!」。昔から見ているファンは「ひまわり組」でやった「BINGO!」も、ときどきコンサートでやる研究生主体の「BINGO!」も大好きです。この曲のワクワク感、“萌え”感が脳内に残っていて、常に目の前のチーム4の「BINGO!」と比較されています。

とにかくワクワク感を出すためには、もっと元気に足を蹴り上げてほしいし、腕もはちきれんばかりの勢いで振ってほしいんですよね。そんな簡単なところから始めていくことから、いくつかの「気づき」が生じて、全体曲まで波及していくものではないかと思っています。

異彩なアイドルオーラを放つ島崎遥香、乙女心を持つ体育系女子島田晴香、実は毒舌キャラの大場美奈、元気な野生キャラ山内鈴蘭、フレッシュメロンに転向か市川美織……なーんていろいろキャッチコピーを考えながら全員の個性を活かしながらチームを組み立てていく、こんな楽しい作業はないはずなんですけどね。

今はまだそれが全然着手できてない感じです。
それに気づいて実行するかしないかは本人次第。
こういうことに大人(≒運営)は手を差し伸べたりはしないです。
もし後押しできる人がいるとしたらチーム4が好きなファンしかいないですね。

そういう意味でもファンには頑張ってもらいたいし、ここがファンの頑張りどころかと思います。公演には入りづらいけど、公演オンデマンドでチェックしてアドバイスすることも可能ですし、とにかくメンバーたちの団結が公演の中に目に見える形として出てくるまで支えてあげてほしいなと勝手に期待しております。

もうちょっとメンバーのいいところを個別にほめたかったのですが、それはまたの機会にということにします。長々とおつきあいいただき、ありがとうございました。
また期間を置いてチーム4の成長ぶりを劇場に確認しに行きたいと思います。