いつの時代もファンの間では「いつからファンになったか」ということにこだわる人が多いです。こだわるというか、自慢したいタイプの人は「昔から見ている」ことに対してそれなりに優越感を持っているので、どうしても後からやってきたファンを煙たがる傾向にあると思います。

逆に新しくファンになった人は、その対象に対して最も熱心な人たちなので、未体験な時間を歴史を学ぶことで補い、知識として吸収し、現在起きていることに夢中になっています。そういう人からすれば、「昔から見ている人」の発言の中にはいら立ちを感じる人がいることは想像に難くありません。
48グループファンの世界ではそれを「新規」「古参」などと呼んだりしますが、もはや「新規」「古参」という言葉に何か意味があるようにも思えなくなりました。「○○新規」という言葉は存在しますが、別にいつからファンになろうとどうでもいいことなのかもしれません。

AKB48が始まった初日公演を一般有料客として観覧した私は最古参になるわけですが、それを自慢したいと思う時期はとうの昔に過ぎてしまいました。

ですが、やはり何かを発言するたびに今でも「また古参アピールしてる」などとTwitterでつぶやかれたり匿名掲示板で揶揄されてしまい、まあそう思われるのも仕方のないことかな、とも思います。

なぜなら、「新規」は「古参」になれないからです。でも自分のことを「新規」だと思ってたら、気づかないうちに「古参」の部類に位置づけられたりすることはよくあることです。

時間が経てば経つほど「見た期間の差」はたいした差ではなくなります。

ただ、たいしたことのない差ではあるものの、その「差」の経験量は違うという事実は残ってしまいます。「現在」そのアイドルを思う気持ちはおそらく「新規」の人が強いでしょう。

「新規」が「古参」をうっとおしく思う理由のひとつは「経験の差」は埋められないことによるいら立ちです。これは仕方のないことです。いくら「当時のビートルズはすごかった」「王・長嶋はすごかった」と言われてもその当時生まれていない人には肌感覚ではわからないのと同じかもしれません。しかも過去は美化されるので語り継がれる頃になると伝説のようになってしまうのです。

「キャンディーズ」「山口百恵」を引き合いに出されても、おそらく今のAKB48グループファンの方のほとんどはわからないでしょう。今は平成24年。大学生のほとんどは平成生まれの時代なのです。

何が言いたいのかというと、「自分の生まれた時間は後からは変えることはできない」ということです。平成生まれの人が昭和に生まれることができないので、昭和生まれの人が肌感覚で何を考え、思っているのかはそんなに簡単にわからないかもしれないということです。

同じように2005年からAKBを見ている人が何を考えているか、なぜその考えに至ったのかというのはそう簡単にわからないかもしれない、と言いたかったのです。でもそれは「古参アピール」でも「古参自慢」でもないんです。

AKBの6年半の歴史の中で、SKE、NMB、HKT、JKTが姉妹グループとして誕生してきたわけですが、SKEの最初から見ている人が今のSKEを見てどう思っているのか、というのは新しくSKEのファンになった人とは少し違う感覚を持っているのだと思います。でもそこに「古参」と「新規」みたいな壁はAKBよりは少ないかもしれません。

姉妹グループの新公演や、AKBの研究生による公演を見て、「多少美化された過去」と比較してしまうのは古くから見ているファンにとってはやむを得ないことです。良いと思うこともあれば、悪いと思うこともある。

昔と違って今は劇場公演を見られる機会がとても減ってしまったので、その1回1回は見る人にとって大切なものであり、その内容を他人からひどく言われることは許しがたいことかもしれません。

「内容」のことを伝えているつもりでも「誰か特定のメンバー」のことをけなしていると受けとめる人も中にはいます。Twitterのタイムラインや掲示板のまとめを見ると、とても短絡的な発言が多いような気がします。

良くないと感じて、改善してほしいという観点から発言していても、なかなか言葉どおりに受けとめてもらえない。まだ熱意の残っている古くから見ているファンでも「良くなかったことを書いて炎上するなら黙っておいたほうがいい」という選択をする人もいます。

私がブログ更新に手が届かないのはそういった理由ではなく、ありがたいことにAKB関係の原稿の依頼をされるので、そちらの締め切りに間に合わせるために忙しくなったに過ぎませんが、言葉を選んだつもりでもなかなか意図どおりに理解をされないことがよくあります。

「昔やっていた別のメンバーによるあの公演を何度も見ていなければそんなにひどい評価をしなくても済むのに」と思うことがありました。できることならもっと前向きな評価をしてあげたいけれど、本人たちに伝わらないことを書いても仕方ないと思って躊躇してしまうところもあります。

まとまらない歯切れの悪い話になってしまいました。

48グループの構造が昔みたいに「劇場公演を主体にしてファンの目線がタレントを育てる」というものからだんだん遠くなっているなか、やはり劇場公演での活躍が認められてこそ昇格なりメディア出演がある……なんて思っているから「だから古参は……」って思われるのかもしれないです(苦笑)。

「だめなものはだめなんだ」と私も本当は言いたいです。そう書いて公演内容が良くなるなら喜んで嫌われる役を買って出ましょう。でも「なんでそういう考えに至ったのか」という説明からスタートして理解してもらうのは大変なことです。古参ファンにすれば当たり前のことでも、新規ファンや新規メンバー、研究生に理解してもらうのはたやすいことではないのです。

「見逃した君たちへ2」を見て思うことが正直いろいろありました。いずれどこか別の媒体で目にすることもあるでしょうし、このブログで後日、記すこともあるでしょう。異なった経験をしたいろんな立場の人が賛否両論を繰り返しながら、より別の高い次元のステージを作っていくという、古典的ですが原点でもある発言や原稿をこれからも書いていこうと思っています。

さしあたって、SKE48チームE「逆上がり」の初日公演の感想をBUBKAに書きました。きっと受け入れられない方も多いのでは……と思ったりもしたんですが、なんでそんなキツいことを書いたのかを理解してもらえればと思って発信しているつもりです。チームKのオリジナル公演を見ていなければそんなに厳しい評価にならなかったのかもしれない、と思いつつも、見ているからこそ言えること、言いたいこともある……それが「生まれた時間の違い」なのだと受けとめてもらえるとうれしいかな、と。

なんだか言い訳みたいですが、おそらく言い訳です(笑)。

BUBKA(ブブカ)2012年 07月号
BUBKA(ブブカ)2012年 07月号